暴力団から足を洗うと決心した当事者たちは、カタギになって生きる覚悟をしている。ところが、生活の基盤となる真っ当な収入を得るための職にありつけないのが現状なのだ。悪いことに手を染めなくても、生活保護に頼ってギリギリの生活をしている人も多い。元指定暴力団組員には「元暴５年条項」という縛りがある。「暴排条例は自治体が定める規則だが、その中に暴力団を離脱した者も暴力団員等とみなし、暴力団を離脱してから５年は銀行新規開設ができない、インフラを除く契約行為ができない、生命保険他に加入できないなどの制約が課せられるのだという。真剣に、真面目に社会に復帰したいと望んでいる人には、元暴５年条項は期限からして余りにも曖昧で、生殺し的な制約だった。

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