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更新日時:2016.10.07


小説 / ノンフィクション

連載中 親権はく奪

作品の長さ:100,243文字

(0)読者数:109

 子どもの貧困が大きな社会問題としてクローズアップされるようになって久しい。

とりわけ憂慮されているのが、父親、あるいは母親の一方と子どもだけの、いわゆるひとり親世帯となった子どもの貧困である。

 シングルマザーなる呼称がすっかり定着したように、ともすれば女性の新しいライフスタイルでもあるかのようにもてはやされることが多くなったとしても、子どもの幸福という観点からすれば、やはり父親という重要な存在を欠いた母子家庭であることに変わりがあるはずもない。

 離婚に際してどちらか一方に親権者を決めなければならない状況下では、不可避的に子どもの争奪をめぐって夫婦間の熾烈な争いが演じられることが多い。この両親間の不毛な諍いの狭間で、なんら罪のない子どもが極度の精神的葛藤を強いられる。

 更に子どもにとって深刻な事態は、両親の離婚をきっかけとして片方の親との絆が途絶してしまい、事実上の生き別れとなってしまうケースである。このような状況を放置したままにして、果たして子どもの人権は守られていると言えるのだろうか。

 離婚は個人の問題と切り捨てるにはあまりにも件数が増え、それに伴って引き起こされる子どもの人権侵害に危機感を抱いた離婚先進国でもある欧米諸国で、離婚した両親の間の子どものために何を優先すべきかについて1960年代から始まった長い議論の末、それらの国ではすでに離婚後の共同親権制度が採用されている。

 単独親権制度から共同親権制度への移行によって、この国の子どもの貧困問題がすべて解決するわけではもちろんないが、少なくても離婚した両親の間にも、子どもの幸福のためにお互いに何ができるかを話し合う機会が残されることだけは期待できるのではないだろうか。

 この著が、そうした議論が高まることへの一助になってくれればと願う。

 

 

 

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