完結 就活コピー作法
作品の長さ:24,265文字
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恐ろしい不況の中、新卒の就職率が下がっている。1、2年で単位を取得し、3年で就職活動をし、色々なポイント稼ぎをし、100社近くを受け、4年になり、卒業旅行から帰ると、「不況の為、不採用」と悪魔の手紙・・・。
せっかくの学生生活を犠牲にし就活しても、仕事がない、という事実はやる気のなさを生み出し、いよいよ日本はダメになる。
そんな時代に東日本大震災。ボランティアできる人は恵まれている人。したくても、それさえできない就職難民が溢れている。
そんな過酷な就職シーンにおいては、合格不合格は「検定」「資格」「卒業校」というマニュアル的なものが重宝される。さらに「経歴」「家族構成」「健康」などが中高年には加味される。だが、それもしょうがない。それは誰が見ても分かりやすいポイントだからだ。
そう、リストラされた社員もこの時代に若者に負けず、履歴書やエントリーシートに精を出さなければいけないのだ。
なぜなら、まず判断の材料となるのが、文章(履歴書、エントリーシート、自己紹介文や小論文など)だからである。
だが、採用担当者と言えども、その判断は揺らぐ。マニュアル的なものは、読む気もしない。だが、はじけすぎても困る。・・・まるで広告クライアントのような気分である。
そこで、役立つのが、文章に広告的な発想を取り入れたものではないだろうか。
広告の基本は「差別化」である。つまり「個性」。就活によって本当にいい就職をした人は「就勝」組だけである。普通の就職組と違うのは、自分の個性や企業の本性をすべて考慮し、選んだ会社に入れたからだ。・・・もちろん、そううまくいく訳ではないが。
もちろん、今の就活本にもノウハウは書いてあるが、広告コピーライターの視点から「文章」に特化して書かれたものはあまりないのではないだろうか。
そして、年齢を重ねれば分かるが、それまで肉体労働していようが、飲食店で働いていようが、容赦なく文章を書くという時が来る。企画書、報告書、営業ちらし、メニューのひとこと、リニューアルのごあいさつ文・・・20数年前まではこういったこともコピーライターがビジネスとして行っていたが、この不況で、依頼するなんていう贅沢は許されなくなっている。誰もが、一生、作文しなければならないのである。
アベノミクスは、弱肉強食の世界である。
昭和の妖怪たちが利権を守るためにあがき、新しい需要がなかなか活性化されない。ビジネスは弱体化し、軍靴の音が鳴り響いてきている。
でも、道はある。ピンチはチャンス!新しい視点でマイナスをプラスへ持っていく文章。
その書き方の小さなヒントとなれば、幸いである。
以上のような趣旨でこのテキストを書きました。
ただし、あまりに堅苦しい文章教室的なものは、読むだけで書くのが嫌いになってしまいそうです。ですから、ブログ調で書いています。読み捨てられる覚悟はできています。
ただ、30数年コピーライターをしてきて、実践で得たテクニックをこの本にはいっぱい散りばめています。それが、この息苦しい時代の閉塞感を破れるのなら、幸いであると考えています。