小説 / SF・ファンタジー
連載中 人外政府元老院業務実録
作品の長さ:237文字
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――――古今東西の人外を保護する機関・元老院。
人間の世界では国の立法諮問機関としてその言葉が使われているようだが、私達の世界では違う。単なる国家公務員の役所のようなもの、現代日本で言うならば各省庁の集合体だ。
この元老院。
最大の問題は別にあるとして、二番目の問題は年中人手不足であるということにある。なまじっか人間よりも強靭な肉体や精神力を持つ者が多いため、徹夜勤務は当たり前。
「寝てないよ? ん? 一か月」
「甘いわ、こちとら半年よ」
「……今の上司になってからおよそ数世紀」
そんな会話もざらに聞けてしまう。
そんなブラック企業も顔負けのブラック機関・元老院で日夜勤務している、とうの昔に感覚がマヒしてしまった私の話にしばしお付き合いいただきたい。