小説 / SF・ファンタジー
連載中 黄昏の魔女と小さな人でなし
作品の長さ:5,115文字
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人が人を殺すには、例えばどんな大義があれば許されるのだろうか。
答えは決まっている。
明白に明快だ。
許されるわけがない。
どんな大義も、どんな信念も、どんな決意も、どんな正義も。
あるいは、
どんな劣等も、どんな衝動も、どんな悪意も、どんな殺意も。
人殺しの前には無意味だ。
ことごとく、ただの人でなしである。
そしてこれは、そんな人殺し達と、それ以上に人でなしである『わたし』の話。
ーーーー
暑さの残る十月。
わたしは、一人の少女と出会う。
彼女は言った。
「友達がほしい」
それが、全ての始まりだった。
一人の少女を巡る、
たった一つの戦争。
繰り広げるは、血で血を洗い、何よりも血と血で繋がる異能世界の住人達。七人の魔女をそれぞれ当主とする、混沌と権力の埒外集団。
《研究》の≪下上-サカガミ-≫
《戦闘》の≪若紫-ワカムラ-≫
《技術》の≪絡繰-カラクリ-≫
《暗殺》の≪糸色-イトシキ-≫
《権力》の≪七星-ナナホシ-≫
《商売》の≪孤子-ミナシゴ-≫
それらの名が指す意味を知ったとき、わたしは少女の闇を思い知ることになる。
その時わたしはーー。