自分から人を好きになることができず、恋愛を諦めていた十八歳の小鳥遊　優斗（たかなし　ゆうと）。

　優斗の夢は、ヘアメイクアーティストになるために東京へ上京すること。

　いつも思っていた。

　誰かが自分の手によって綺麗に染まることが出来たら、これ以上嬉しいことはないと。

　ある日いつもの帰り道――今まで気が付かなかった知らない道を見つける。

「あれ？　こんなところに道なんてあったっけ？」

　それはちょっと不思議な出会いと、時空を超えて培われる小さな恋のはじまりであった。

　――真っ白いキャンバスには、どんな色だって輝くことができるとよ。

　――キミの誕生日が七夕なんて、すてきやね。よし、一緒に七夕飾りしようや。

　※この物語は、フィクションです。