小説 / SF・ファンタジー
連載中 少女の殺意は毒と硝子で出来ている。
作品の長さ:177,249文字
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しあわせに暮らしていたはずだった。
留学を控えたある日、わたしは家族みんなで外国に住む伯父の元へと旅行に行くことになった。
飛行機に搭乗してから数時間後、わたしたちが乗った機体はこの世界から忽然と消えてしまったのだ。
地上では日を追うごとに過熱する報道。
一週間後、機体は東京のとある公園で見つかった。
機体にはほとんど外傷がない。
そして乗客はすべて死体となっていた。
しかし、ひとりの遺体だけみつからなかった。
それが人々の目にはセンセーショナルな事件としてうつり、様々な憶測を生む。
わたしは、世界から放り出された。
目覚めた先は薄暗い博物館のような場所。
目の前には性別不明の大きな人。
「泣いたら殺すわよ」
わたしはわたしを奪われた。
時間はたくさんある。
絶対に殺してやる。
憎しみと好奇心にすがりながら、わたしはこの世界を生きてゆく。