詩月セイは子供の頃から、自分は周りと何かが違うと感じて育った。

それは今、シオンという天使が視えている霊感なのか、性別通り女性ではないと感じる心なのか、飛び出した家庭環境なのか。何が辛いのか、そうきかれたとしても、クリスマスに貯水池に身を投げたセイにはこたえが出ない。

特別な不幸は何もなかった。唯一、セイを理解してくれようとした母が、自ら命を絶ってしまったこと以外は。

病院に運ばれ、シオンと出会い、家出したセイを拾ってくれたのは風俗嬢の巴郁子だった。セイは郁子と、本当の家族になりたいと願い、天使のシオンと共に自らの運命への抗いを始める。

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update:2022.12.24

表紙写真感謝：いみず様

関連作(パブー)：『ツキモノ -聖夜光-』https://puboo.jp/book/134318