お知らせ

2016.02.29

第 7 回ノベラボグランプリ、最優秀作品を発表しました!

1 月に開催された第 7 回ノベラボグランプリ「歴史・時代」部門の結果を発表します! 最優秀作品と最終候補作を合わせて 5 点選出いたしました。最優秀作品については、著者様とご相談の上、ディスカヴァーからの発売を予定しています。

最優秀作品

影蝋蟲 ~幕末陰聞~ 猛士


京へ戻る桂小五郎の警護を依頼された『万荒事屋』の葛城柔志狼。だが、京に足を踏み入れた二人を、謎の雲水の一団が襲う。果たして雲水の狙いは? 背後で蠢く『蟲匠』とは? 京の都を襲う妖異に山南敬助の『将門流陰陽術』が迸る!
 
●講評
新撰組をテーマにした王道のストーリー展開だが、よく練られており、盛り上がりのツボも計算されていた。シリーズで3作品応募いただいていたが、新しいものになればなるほど、描写・キャラクター・ストーリーの完成度が上がっているため、こちらの作品を選出した。本来の主人公である山南敬助が、葛城柔志狼に食われているのも、キャラクターが生きている証拠だろう。難読漢字が多用されており、読む際に引っかかりがある点に改善の余地を感じた。
 
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最終候補作品

いまは亡き公国の謳 紫藤市/著
ロレーヌ公国公爵の庶子ジェルメーヌとステファーヌは双子の公女だ。一七二三年六月。公国の嫡男だったレオポール公子が病死する。レオポールの弟であるフランソワが嫡男となるはずだったが、反対している家臣がいた。彼らは庶子であるステファーヌが男であるという秘密をジェルメーヌたちの母親から聞き出しており、フランソワとステファーヌのすり替えを目論んでいた。
 
●講評
筆力があり、テーマも面白いため、読ませる作品だった。しかし、ストーリー展開に盛り上がりが欠け、あっけなく終わってしまった印象だったので、後半のプロットを見直すとよいだろう。史実を知っている読み手にとっては、予想が裏切られる展開だが、その意外性がいま一つ伝わらないのが残念。また、ヨーロッパ王家、公家の壮麗さの描写を加え、物語のスケール感が大きくなっているとよかった。
 
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新撰組遺聞 夢録 瀬古刀桜/著
大正4年。藤田五郎、新選組三番番隊隊長・斎藤一のもとに、一人の女性新聞記者が訪れた。名は三嶋透子。新選組諸士調役監察方差配・尾形俊太郎の娘である。俺は彼女に請われ、あの時代のことを話し始めた。
 
●講評
ストーリーは史実をベースにして、よく考えられていた。ただ、前半と後半の内容が別物で、その意図がよくわからなかった。後半の影武者の設定は面白かったので、こちらを膨らませるといいだろう。改名・変名についての説明不足、大阪にある適塾が東京になっているなど、細かい部分で気になる点が多かった。所々で人物や気候、風景などのディティールを描写すると、よりリアリティーがでてくると思う。
 
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方舟・聖ペトロ島 川内祐/著
高校1年のマリアは自分の居場所を探していた。 神の悪戯か、彼女が目を覚ましたのは戦国時代の長崎にある小さな港町。そこで出会った男から思わぬ事実を聞かされ、戦国日本と大航海時代の世界の運命さえ握る事件の解明と阻止に手を貸すことになる。 過去とは何か、歴史は変えられるのか。
 
●講評
物語の設定が巧みで、しっかりとした筆力もあるので複雑なストーリーや人物描写をうまくまとめている。気になったのは、黒幕が最後まで明かされなかった点。いろいろ伏線が張られていたが、まったく関係のない事態で幕引きとなり驚かされた。また、言葉の問題になるが、日本名と洗礼名の両方を使用したり、教会用語が登場するなど、少々煩雑だった。
 
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大江戸慕情 落書福太郎/著
享保のころの江戸。ここには、幕府の御用を請け負った大工たちそして、駒草屋という店を構えている大工の棟梁とその妻、娘のお藤も住んでいた。お藤は、棟梁の後を継ぎたいと思っている大工職人で、火事を消す町火消の一員になる。男社会の中でのお藤の活躍と淡い恋そして江戸の義理人情の真髄に迫る。
 
●講評
江戸時代という設定をしっかり表現しようという意図は感じられたが、その分肝心のストーリーの展開が疎かになってしまった印象。バランスの問題だが、まずはストーリーありきで書き進めないと本末転倒になってしまう。何をテーマにしたいのかをシンプルに定めると、読者の心をつかめるだろう。
 
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