【重要:お知らせ】ノベラボ サービス継続のお知らせ

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特集・イベント

第 29 回ノベラボグランプリ 結果発表!!

2018.2.28

1 月に開催された第 29 回ノベラボグランプリ(歴史・時代)の結果を発表します! 最優秀賞と最終候補作を選出いたしました。最優秀賞については、著者様とご相談の上、ディスカヴァーからの発売を予定しています。

最優秀賞

利刀を以て斬れぬもの 古月


対倭寇の英雄・戚継光は戦場にて一人の倭人と出会う。その倭人の手には五尺にも及ぶ長大な刀があった――。 数年後、一人の少女が旅に出る。少女は行方知れずとなった実母を探していた。悪漢に追われる彼女を救ったのは、その背に長刀を負った男。 旅路を共にする二人の背後では、倭寇と倭人と、そして明軍と異人商人とが陰謀を巡らせていた……。 中国苗刀術の起源である渡海倭刀の伝説を元に描く、剣客武侠篇!
 
●講評
中国が舞台の時代劇。物語の構成と人物描写がよかったです。プロットは細かいところでもう少し工夫が必要だと感じました。また、やや硬質で独特なリズムのある文章が特徴的でしたが、武術関係の語句、明や倭寇、倭人の関係性などわかりにくい部分が気になりました。
 
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最終候補作品

ヒミコの調税使 立花 豊
「租賦を収む、邸閣あり」 魏志倭人伝の一節です。この一節で、それまで古代史の幻影でしかなかった邪馬台国が、人間が織りなす社会の営みに見えてきました。倭国の乱とは何だったのか、なにが人を争いに向かわせるのか、邪馬台国はなぜ建てられたのか。各地で進む発掘調査の成果と矛盾することなく、人と社会がどう動いていったのかに思いをはせながら、邪馬台国とヒミコの物語を織りあげました。
 
●講評
卑弥呼と邪馬台国誕生の物語。謎が多く難しい題材に、あえて挑んだ意欲作でした。高い筆力、構成力が作品を支えていました。ただ、読み手としてはどうしても題材についてまわる史実的または考古学的な視点が気になってしまい、ノンフィクションとしての面白さに集中できないという問題も感じました。例えて言えば、歴史番組の再現VTRを見ているような感覚でした。
 
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流山の別れ 土方歳三物語 おぼろつきよ
土方歳三は剣術が苦手だった。本当は武士になんてなりたくなかった。だが守りたい大切な人たちがいる。だから強くなると決めた。 日野の家族と歳三の絆を中心に、少年期~流山の 別れまでの物語。流山で近藤勇は何を思い、官軍に投降したのか。
 
●講評
冷徹なリーダーとして描かれることが多い土方の意外な一面が描かれていました。また、京都から江戸まで敗走した近藤たちのその後の様子も興味深いものでした。残念だったのは、人物描写があっさりし過ぎていたことです。特に、土方と近藤の関係はもっとじっくりと描いてほしかったです。
 
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又右衛門、斬ってはならぬ 〈宇都宮釣天井異聞〉 陸 理明
江戸城の権力者である土井大炊頭利勝は、七人の根来忍びに命じて、宇都宮城の城主である政敵・本多正純の失脚を企んでいた。それに対して、のちに鍵屋の辻での敵討ちで名を馳せる若き剣士・荒木又右衛門は、正純の実子・正勝らとともにその陰謀に敢然と立ち向かう。はたして、伊賀の忍びにしてのちの大剣士と奇怪な忍術射撃の激闘の行方はいかに?
 
●講評
荒木又衛門。時代劇でありながら現代劇に近い作風で、格闘シーンのうまさが際立っていました。しかし、人物描写やストーリー展開などは物足りなさが残りました。作風からすれば、もっと荒唐無稽な娯楽色を前面に出した方がよかった気がします
 
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ハルノウタ sakuru
今思えば、それは大人になる直前の、子供として過ごせる最後の春の日々だった……。日野の豪農、土方家の末っ子として1835年の5月5日に生まれた土方歳三。どこか切なくてほろ苦い、時代を駆け抜けた彼の、子供時代、最後の日々の妄想話。
 
●講評
土方歳三の少年時代。江戸時代版スタンド・バイ・ミーといったところか。物語の着想はなかなか面白かった。ストーリーとしてはクライマックスの部分に無理を感じた。もう少しアイディアのある展開を構築できればよかった。
 
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天眼の蓮 魔招散秘録 五月雨輝
戦国期。近江国美原村には、それを飲めば天下無双の力を得られると言う禁断の神薬、魔招散が、平安の世より密かに伝わっていた。だが近頃、付近の山賊集団八木沢党が、その魔招散を狙って度々美原村を襲撃して来ており、激しい争いとなっていた。
 
●講評
全体の構成はいいと思うが、ストーリー展開に無理な部分を感じました。例えば、凛が元蔵を許すのはおかしい。元蔵は騙されただけだという考え方は現代人の論理であり凛の一族の敵であることは変わらない。涙を流せば許されるのか? 蓮十郎の信長に対する言動はありえない。
 
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武士大神(もののふおおかみ) ぽんた
後に新撰組として勇名を馳せた土方歳三。彼は優れた業物を持っていた。それは、齢十歳の少年だった。自らを妖(ばけもの)と称し、土方を主と慕う少年。その力は強大だった。そして、身の内に大神(狼)を宿し、ときには白き巨獣(狼)に変化して主や新撰組のために暴れた。幕末の動乱の只中にあって、武士に憧れ、誠を貫こうとする土方や近藤。朝廷、幕府、会津、薩摩、長州、といった大きな組織を相手に立ち向かう小さな戦闘集団。武士とは?命とは?絆とは?「壬生の狼」とも呼ばれた狼たちが、幕末を駆け抜ける!
 
●講評
新撰組に関する作品や資料がたくさんあるので、ストーリーや人物描写は書きやすいのですが、そのぶん使い古された内容になりがちです。しかし、話のツボをうまく抑えており、特に辰巳というキャラクターの存在感は別格といえます。とはいえ話自体は長すぎました。ぜひ、もっと凝縮された作品のかたちで読んでみたいものです。
 
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▼ 過去の受賞作品

第 28 回「SF」
第 27 回「青春・友情」
第 26 回「料理・グルメ」
第 25 回「ファンタジー」
第 24 回「夏」
第 23 回「オールジャンル」
第 22 回「サスペンス」
第 21 回「コメディ」
第 20 回「アクション」
第 19 回「お仕事小説」
第 18 回「歴史・時代」
第 17 回「恋愛」
第 16 回「ミステリー」
第 15 回「SF」
第 14 回「青春・友情」
第 13 回「ファンタジー」
第 12 回「オールジャンル」
第 11 回「旅・旅行」
第 10 回「家族」
第 9 回「ビジネス・経済」
第 8 回「卒業」
第 7 回「歴史・時代」
第 6 回「ミステリー」
第 5 回「SF」
第 4 回「恋愛」
第 3 回「ホラー・サスペンス」
第 2 回「青春・友情」
第 1 回「ファンタジー」

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